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学生のみなさんへ

研究を通してどう成長するか
当研究室には19歳から22歳までの学生が毎年10名程度在籍しています。
社会性を身に着ける重要な時です。
噛み砕いて言うと、社会という漠然としたものに、自らを適応させていくことです。

ヒトの成長として、社会に適応することが、その最終目標でしょうか?
残念ながら答えはノーです。

高専の学生には、自立を目指してほしいです。
願わくば、ケアラーになることを期待します。

研究室の目的
工業高専の研究室は何のためにあり、何をするところでしょうか?
私見を述べますと、3つあると考えています。

1つ目は、今までになかった新たな知見を生み出し、世の中に提供することです。

2つ目は、新たな知見を活かし、世の中の役に立つ何かを生み出すことです。

3つ目は、これが一番大切だと考えているのですが、その研究室の学生が成長することです。
当研究室では、所属した学生が技術者として「自ら成長しつづける方法」を身に着けることを目標としています。

卒業研究で学ぶこと
工学系の大学では卒業研究は必須ですが、学部の卒業研究から大学院の研究へと次のように進められると考えています。
卒業研究は、研究のフォーマットを学ぶ。
研究はざっくり言うと、テーマの設定→計画立案→データの採取→データの処理→考察→まとめetc.と、ある程度の型が決まっています。
この型を学ぶために、データ採取し、論文のフォーマットに落とし込めればOKなことが多いのではないでしょうか。

修士研究は、新規性のあるテーマにトライ。
少し研究らしくなりますが、テーマの設定は指導教員が主で、計画立案からということが多いのではないでしょうか。
また、やってみてうまくいかなかったとしても、お目こぼしがある場合も・・・。

博士研究で、やっと「研究」に。
新規性のあるテーマを自ら設定し、学術誌に掲載される論文を複数執筆し、それらをまとめて博士論文とします。

卒業研究を行いながら、研究の型を学ぶと、ものづくりのための「モノの考え方」や「基本的な姿勢」が学べます。
つまり製造業における(技術込みの)社会性を身に着けることができます。

工業高専の卒業研究で学ぶこと
工業高専は、5年生(大学2年相当)で卒業研究を行います(高専によっては4年生から)。

約60年前に、工業高専は、製造業において、「技能者の指導者」あるいは「指導的地位に立つ技術者の補助者」を育成するために作られました。
要は、製造業における社会性を身に着けることが、その目的でした。

そのため、工業高専でも卒業研究を行い、製造業における社会性を身に着けたうえで、就職してもらっているのだと考えます。

歴史の話をするつもりはないので、いろいろ端折りますが、現代においてはそれでは足りないのではないかなと感じています。
企業文化に適応してものづくりをするだけではなく、技術者として自立することが必要なのではないかと考えます。
そのためにも卒業研究は、工業高専を卒業した技術者として、とても大切だと考えます。

これからの技術者像
自立とは「自分とは何者か」「私はどう生きるか」の問いに解が出せている状態です。
これをアイデンティティ獲得とかアイデンティティの確立とかと言います。

いままでは、技術者に個が求められず、「自分」不在でそれぞれの企業のやり方に適応することでもなんとかやっていけたのではないかと思います。
しかし現在、すべての企業が、「これから何を作ればいいのか?」に悩んでいるように思います。

現在、企業が技術者に求めているものが変わっているように感じています。
技術者としてのアイデンティティ(=「自分の専門分野は何か」「どんな技術者になりたいか」)の確立が求められていると強く感じます。
新しいものは何か?どのように創るのか?を自ら提案できる技術者が求められています。

自立した技術者になるために
卒業研究をとおして、新しいテーマを探し出し、自ら計画立案し、試行したうえで提案する訓練ができます。
ただ、上でのべたとおり、最初は研究のフォーマットを学ぶだけで手一杯になる人が多いのかもしれません。

指導教員のあたえたテーマに沿って、なんならすでに指導教員なり先輩が立案した計画に沿ってデータを採取して、まとめるだけになるかもしれません。
技術者としての「社会化」のための訓練です。

技術者としての「自立」のために、新しいテーマの見つけ方、自ら試行錯誤しながらデータを採取しまとめ、考察し、議論しながら新たなテーマを発見していくことが必要です。
自分の興味や関心を、新しいテーマ=仕事につなげるための方法を身に着ける、つまり「自立」することができるのです。

専攻科をお勧めする理由
私の研究室では、5年生からテーマの設定に挑戦してもらいます。
自分の興味や関心をもとに、新しいテーマを発見していく喜びと苦しみを知ってもらいたいなと考えています。

指導教員が思いつかないようなテーマを提案する学生もいて、そういう学生にはそのテーマをやってもらいますが、なかなか初めからうまくいくことは少ないです。
しかし、高専生のメリットは時間です。

5年生で発想したテーマを進めていくうちに、課題や新しいテーマに気が付くことも多いです。
気が付いたところで卒業することもありますが、まだ世間的に見れば大学2年生の年齢です。

専攻科に進学してくれれば、その後2年かけて気づいたテーマにじっくり取り組んでもらうことができます。
専攻科修了時、大学4年生の年齢で、修士修了と同等の力をつけて、すなわち「自立」した状態で、社会に出ていくことができます(その後の院進学も非常にスムーズです)。

当研究室では、毎年3~4名の専攻科生を受け入れています。
専攻科進学(滑り止めでも)を考えている人がいれば、相談に来てください(受け入れ不可の研究室もありますので)。

学生の活躍

令和4年度

専攻科特別賞
学年 専攻科2年
氏名 若林蒼

“Best Research Presentation Award” in the 7th STI-Gigaku 2022
学年 専攻科2年
氏名 若林蒼

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令和3年度

専攻科特別賞
学年 専攻科2年
氏名 後藤蓮

日本機械学会若手優秀講演フェロー賞
学年 専攻科1年
氏名 出田颯人

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令和元年度

特別敢闘賞
学年 機械工学科5年
氏名 髙橋和真

第3回高専防災コンテスト 最優秀賞
学年 機械工学科5年
氏名 宮嵜拓真
学年 専攻科1年
氏名 吉村郁哉

学生の学会発表

令和4年度

壁面を滑り落ちる水滴に働く界面抵抗に水滴量が及ぼす影響
学会名 日本機械学会情報・知能・精密機器部門講演会 IIP2023〔2023.3.6-7〕
学年 専攻科2年
代表者名 出田颯人

斜面を滑る液滴の滑り挙動に液滴の粘度が及ぼす影響
学会名 日本機械学会情報・知能・精密機器部門講演会 IIP2023〔2023.3.6-7〕
学年 本科5年
代表者名 西本栞理

パルス通電焼結によるTi2Al(C,N)の機械的特性
学会名 日本金属学会・日本鉄鋼協会北陸信越支部令和4年度連合講演会〔2022.12.3,オンライン〕
学年 専攻科1年
代表者名 山本一哉

Machinability Evaluation of Ti2AlC Ceramics in Lathe Cutting
学会名 International Conference ​on “Science of Technology Innovation” ​7th STI-Gigaku 2022 (Nov. 18 (Fri.), 2022)​
学年 専攻科2年
代表者名 Sou Wakabayashi

ラインパターン化されたはっ水性表面上の着氷力
学会名 日本機械学会2022年度年次大会〔2022.9.12-14〕
学年 専攻科2年
代表者名 下倉弘暉

シリコーン表面の微細溝が着霜現象に及ぼす影響
学会名 日本機械学会2022年度年次大会〔2022.9.12-14〕
学年 専攻科1年
代表者名 石原快

令和3年度

シリコーンを塗布した表面と氷の間の摩擦力におよぼす膜厚の影響
学会名 日本機械学会北陸信越支部2022年合同講演会
学年 専攻科2年
代表者名 吉村郁哉

滑水性シリコーン皮膜の開発
学会名 日本機械学会機素潤滑設計部門講演会〔2021.12.6-7,オンライン〕
学年 専攻科2年
代表者名 後藤蓮

シリコーンゴム斜面を滑る低粘度液滴の界面抵抗に滑り速度が及ぼす影響
学会名 トライボロジー会議2021 秋 松江
学年 専攻科2年
代表者名 齋藤千夏

Measurement of friction force and observation of ​ice motion between ice and silicone sheet​​
学会名 International Conference ​on “Science of Technology Innovation” ​6th STI-Gigaku 2021 (Oct. 22 (Fri.), 2021)​
学年 機械工学科5年
代表者名 Yusuke Oba

Relationship between CNT Orientation of Nanocarbon Fiber Silicone-matrix Composites and Sliding Property of Water Droplet​
学会名 International Conference ​on “Science of Technology Innovation” ​6th STI-Gigaku 2021 (Oct. 22 (Fri.), 2021)​
学年 専攻科2年
代表者名 Ren Goto

斜面を等速で滑る水滴の界面抵抗
学会名 日本機械学会2021年度年次大会〔2021.9.5-8,オンライン〕
学年 専攻科1年
代表者名 出田颯人

シリコーンシート表面上の水滴の水平せん断力に及ぼす接触線形状の影響
学会名 日本機械学会2021年度年次大会〔2021.9.5-8,オンライン〕
学年 専攻科2年
代表者名 齋藤千夏

球状曲率構造を有するシリコーン被膜のはっ水性が水滴凍結過程に及ぼす影響
学会名 日本機械学会2021年度年次大会〔2021.9.5-8,オンライン〕
学年 専攻科1年
代表者名 下倉弘暉

三重線の縦横比を考慮した液体架橋のせん断力に関する近似計算法
学会名 トライボロジー会議2021 春 東京
学年 専攻科2年
代表者名 齋藤千夏

令和2年度

振動させたシリコーンシートと3点接触する氷の間の​摩擦力測定および界面状況の観察​
学会名 トライボロジー会議2020 秋 別府
学年 専攻科2年
代表者名 小林誠虎

水滴の変形がシリコーンシートと水滴間の引き離し力に及ばす影響
学会名 トライボロジー会議2020 秋 別府
学年 専攻科2年
代表者名 黒岩岳大

微細な表面凹凸をもつシリコーンシート斜面とその上を滑り落ちる水滴間の摩擦力の解析​
学会名 日本機械学会2020年度年次大会講演論文集〔2020.9.13-16,名古屋〕
学年 専攻科1年
代表者名 齋藤千夏

シリコーン/CNT複合シートのCNT分散変化が滑水性に及ぼす影響
学会名 日本機械学会2020年度年次大会講演論文集〔2020.9.13-16,名古屋〕
学年 専攻科1年
代表者名 後藤蓮

令和元年度

Analysis and Evaluation for Sliding Behavior of Water Droplets on Surface of Silicone Sheets​
学会名 ​International Conference ​on “Science of Technology Innovation” ​4th STI-Gigaku 2019 (Nov. 8, 2019)​
学年 機械工学科5年
代表者名 Ren Goto

平成30年度

シリコーン/CNT複合シートに含まれるCNT複合量の増加における引き離し力の変化
学会名 日本機械学会北陸信越支部第56期総会・講演会 [2019.3.2富山県富山市]
学年 機械工学科5年
代表者名 黒岩岳大

加振によるシリコーンゴムシートと氷球間の摩擦力の変化
学会名 日本機械学会北陸信越支部第56期総会・講演会 [2019.3.2富山県富山市]
学年 機械工学科5年
代表者名 小林誠虎

Evaluation for Sliding Behavior of Water Droplets on​ Surface of VGCF Composited Silicone sheet​​
学会名 ​International Conference ​on “Science of Technology Innovation” ​3rd STI-Gigaku 2018 (Oct. 5, 2018)​
学年 機械工学科5年
代表者名 Gakuto Kuroiwa

進路

進学先一覧
アイシン精機(現アイシン)出光興産(株)オリオン機械(株)(設計開発)
キヤノン(株)川崎重工(株)(設計)本多通信工業(株)
セイコーエプソン(株)ソニーGMO(設計)アスザックフーズ(株)
鈴木(株)仁科工業(株)(開発)エムケー精工(株)
進学先一覧
大阪大学(博士)東京農工大学(推)(博士)新潟大学理
金沢大学(推)信州大学繊維院(推)(博士)信州大学工院(推)
鳥取大学院(推)(博士)長岡技科大(推)長岡技科大(学)
鹿児島大学信州大学工(推) 

FAQ

コアタイムはあるか?

すべて自己責任≠放置
研究室にいればいるほどケアができます
かけた時間がすべて自分の成長につながる

好きな研究ができる?

テーマを自由に設定し自由に研究することができるなら大歓迎
テーマを提案してください/テーマ設定までに指導教員とよく相談します
自らのアイデアでテーマ設定をしてもらえるようなるまで指導します

就職進学に有利?

楽勝ではない
指導教員のコネがあればより有利だけど・・・(自信をもって推薦できる人なら)
就職先・進学先の選び方を教えてあげられます