【高密度等方性黒鉛材料の気孔構造の解析】

等方性黒鉛材料断面の偏光顕微鏡像に画像処理を適用して,試料断面に現れた 気孔の断面積の分布,気孔数および気孔率を求めた.また,気孔断面の輪郭線 のフラクタル次元および円形度を測定し,気孔形状の定量的評価を行った.こ の結果,気孔数が増加すると気孔の平均断面積は小さくなること,断面積が大 きい気孔は複雑な形状を示し,小さい気孔は円形度が高くなることがわかった. さらに,従来解析が難しかった気孔分布および形状と強度パラメータとの相関 について検討し,気孔断面積が小さく気孔数が多いほど,弾性率および曲げ強 度が増加することを明らかとした.また,試料がある程度の大きさの気孔を多 数含んでいると,発生した亀裂の進行が気孔部分で抑制され,平面ひずみ破壊 靭性値(KI)および臨界亀裂開口変位(CODf)が増加することを示した.